2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
花街に生きる女たち 日本 溝口健二監督 オリジナルは90分だがフィルムが失われて、現在みることができるのは69分版でこの20分の違いは結構大きいような気がする。 1953年に撮られた溝口監督「祇園囃子」に比べると時代のせいなのか少し重い雰囲気…
感動作、怪異譚、不思議小説、パンク小説、ハートウォーミング、ユーモア小説とバラエティに富んでしかも粒ぞろいの短篇ばかり。 黒井千次「丸の内」、村田喜代子「鯉浄土」、小川洋子「ひよこトラック」、竹西寛子「五十鈴川の鴨」、町田康「ホワイトハッピ…
そして誰もいなくなった アイスランド、デンマーク、ポーランド、ドイツ、 ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン監督 アトリは妻に隠れて深夜ポルノビデオを見ていた。それは自分と昔の恋人のセックスビデオだった。それを妻に見つかり追い出され、ア…
豊かな実を刈り取ったのはだれか フランス、スイス グザヴィエ・ボーヴォワ監督 第一次世界大戦下のフランスの田園地帯、1915年から1920年までの3人の女たちの物語。 農園の未亡人オルタンスは二人の息子を、そして娘のソランジュは夫を戦争にとら…
映画は虚と実の間にある 韓国 イ・ヒョンスン監督 1997年12月、海辺の家に越してきたソンヒョンはその家を「イルマーレ」と名付ける。イタリア語で海という意味だった。郵便受けに見知らぬ女性ウンジュからの手紙が入っていた。 信じられないことに彼…
リトルハンガーとグレートハンガー 韓国 イ・チャンドン監督 原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」 アルバイトで暮らしている小説家志望のジョンスは偶然、幼なじみの女性ヘミと出会う。アフリカに旅行に出かけるので留守の間、猫の世話をしてくれとヘミに頼…
だれが狂っているのか イギリス オットー・プレミンジャー監督 ソウル・バスの洒落たオープニングタイトルが映し出されると映画への期待感が高まってくる。 アメリカからロンドンに越してきたアンと雑誌社に勤める兄のスティーブン。アンは4歳になる娘バニ…
ベルイマン監督作品「野いちご」冒頭の夢のシーン、主人公の老人が見知らぬ無人の町を歩いている。老人は馬車から落ちてきた棺桶の中に自分の死体を見て驚愕する。老人は死の恐怖で目が覚める。 私も無人の町を歩いている夢を見ることがたまにある。もちろん…
自主製作映画2本 日本 大庭功睦監督 妻とその愛人を殺した罪で14年間服役していた篠原は、刑事の松尾から真犯人はヤクザの若頭財前だと知らされる。財前の手下の西が密告してきたのだ。 事件当時、篠原はアルコール依存症ではっきりとした記憶がなかった…
聖なる無知 日本 片山慎三監督 片足の悪い兄良夫と自閉症の妹真理子は港町のボロ家に住んでいた。暗い部屋は乱雑で荒れ放題だった。すべての窓が段ボールで覆われ日の光のささない部屋が兄妹の境遇をあらわしていた。 兄が失業してしまうと家賃も電気代も払…