自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

真夜中のゆりかご 2014年

二度目のチャンスとは デンマーク スサンネ・ビア監督 刑事のアンドレアスとシモンはジャンキー夫婦の部屋にヤクの捜査で踏み込む。浴室で糞尿にまみれになっていた赤ちゃんを見つけ保護する。しかし赤ちゃんの健康は良好でジャンキー夫婦は釈放される。 ア…

ビリーブ 未来への大逆転

70年代アメリカの性差別 2018年 アメリカ ミミ・レダー監督 1956年、ルース・キンズバーグはハーバード大学院ロースクールに入学する。彼女は同じハーバード大学院に通う夫マーティの育児や家事の協力もあり首席で卒業する。 弁護士になりたかった…

霧の中の風景 1988年 

始めに混沌があった・・それから光がきた ギリシア、フランス、イタリア、テオ・アンゲロプロス監督 11歳の姉ヴーラと5歳の弟アレクサンドロスはアテネからドイツ行き国際急行にのって会ったことのない父の住むドイツに向かう。しかし二人は切符も持たず、…

ファントム・スレッド 2017年

母親の呪縛 アメリカ ポール・トーマス・アンダーソン監督 1950年代のロンドン、オートクチュールのデザイナーで仕立屋のレイノルズ・ウッドコックは完璧主義者で、社交界から脚光を浴びていた。姉のシリルが彼の良き理解者だった。 彼は田舎町のウェイトレ…

凄まじい人生

事実は小説より奇なり 病気ほど人を不安にさせ、挫けさせるものはない。生きる気力さえ奪ってしまう事がある。人の一生は病気との闘いの歴史といっていいのかもしれない。 以前にも書いたことはあるが、ヘミングウェイは多くの病気と怪我に苦しんだ。 左目の…

風の丘を越えて/西便制 1993年 

♪アリアリラン スリスリラン・・♪ 韓国 イム・グォンテク監督 1960年代初め、30代の男ドンホが山間の村の宿屋に泊まる。そこで韓国の伝統芸能パンソリを聞かせる女性の歌声に昔を回想する。彼は別れた義姉ソンファを懐かしく思い出す。 血の繋がらない…

白夜のタンゴ 2013年

ユーモアたっぷりの音楽ドキュメンタリー 83分 ドイツ、フィンランド、アルゼンチン、ビビアン・ブルーメンシェイン監督 タンゴの映画はたくさんある。「タンゴレッスン」「ラスト・タンゴ」「スールその先は・・愛」「タンゴ ガルデルの亡命」「愛される…

私はゾンビと歩いた! 1943年

心優しき怪奇映画 アメリカ、ジャック・ターナー監督 68分 「私はゾンビと歩いたの」という女性の独白で映画は始まる。 カナダから西インド諸島の砂糖農園主ポールの妻ジェシカの看病のために、看護婦のベッツィはセバスチャン島にやってきた。ポールの弟ウ…

アフター・ウェディング 2006年

得るものと失うもの デンマーク スサンネ・ビア監督 インドのスラム街で孤児たちの教育、住居、食料などの救援活動をしているデンマーク人のヤコブ、しかし孤児施設は資金不足で閉鎖寸前だった。そうなれば孤児たちは路上生活に戻ってしまう。 そんな時、デ…

はなれ瞽女おりん 1977年

野ざらしをこゝろに風のしむ身かな(芭蕉) 日本 篠田正浩監督、原作水上勉 撮影宮川一夫 「盲目の女が一人で生きるには按摩か女郎か、瞽女になるしかなかった」 天涯孤独で盲目の6歳の少女おりんを富山の薬売りが、盲目の女芸人たちが暮らす越後高田の瞽女…