自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

永遠のこどもたち 2007年

哀切でファンタジックなゴシックホラー スペイン、メキシコ J・A・バヨナ監督 製作ギレルモ・デル・トロ 医師の夫カルロス、息子シモンと共に37歳のラウラは閉鎖されていた孤児院に引っ越してきた。孤児院を再建して障害をもつ子どもたちの施設にしようと…

オリ・マキの人生で最も幸せな日 2016年

フィンランド版「ロッキー」 フィンランド、ドイツ、スウェーデン、ユホ・クオスマネン監督 「ロッキー」とは肌触りのまったく違う実話に基づいたフィンランドのボクシング映画。 1962年、パン屋のプロボクサー、オリ・マキは世界タイトル挑戦のチャンス…

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

軽いノリの「犯罪映画」 2017年 タイ ナタウット・プーンピリア監督 2014年、中国で起こった米国留学への大学適性試験での集団カンニング事件、その実話から着想を得た作品。 天才の女子高校生リンは教師である父親との二人暮らし、彼女と同じような…

その後の新型コロナウイルス

先日、墓参りに行ってきた。奈良の山奥で今は限界集落になっている。それでも例年ならけっこう帰省する人はいるのだが、今年はほとんどないという。暑い日だったが、一つの役割を終え、いい気分になった。 今までブログに「新型コロナウイルス」「未知との遭…

犯罪河岸 1947年

戦後パリの空気が漂っている フランス アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督 パリ、歌手のジェニーは下町育ちの色っぽい女で誘惑も多かった。夫のモーリスはピアノ弾きで嫉妬深い男だった。ジェニーは軽薄そうに見えて、実はモーリスだけを愛していた。 アパ…

あなたになら言える秘密のこと 2005年

「世界は虐殺を忘れ、生存者だけが覚えている」 スペイン イザベル・コイシェ監督 少女の語りで映画は始まる。ハンナは工場に勤めていたが、無遅刻、無欠勤だったので上司から休暇をとるように言われる。仕方なくスペインを訪れるがハンナには何もすることが…

恐怖の報酬 オリジナル完全版

男たちの死にざま 1977年、アメリカ、ウィリアム・フリードキン監督 メキシコの殺し屋ニーノ、フランスの投資家セラーヌ、アラブ・テロリストのカッセム、アイリッシュ・マフィアのドミンゲス、4人の男が南米の奥地に流れ着いてきた。 4人の男は高額な…

「ゴーゴリの妻」と「カフカの父親」

是枝裕和監督作品「空気人形」 男たちの性処理のために作られたラブドール「のぞみ」はへそから空気を吹き込むようになっていた。ある日、彼女は人間の心を持ってしまった。そしてDVDショップの青年を愛するようになる。空気人形の淡いエロスを感じさせた。 …

山河遥かなり 1947年

原題は「The Search」 アメリカ フレッド・ジンネマン監督 第二次世界大戦後のアメリカ占領下のドイツ、強制連行されたナチスの収容所から救いだされた戦災孤児たちが国連救済所に連れてこられる。 救急車の赤十字をみて逃げ出す子どもたち、収容所では救急…

緑の光線 1986年

それを見たものは幸せになる フランス、エリック・ロメール監督 秘書のデルフィーヌ、バカンスは友だちとギリシア旅行の予定だったが、その友達から急にキャンセルの電話が入る。別の友だちがデルフィーヌをシェルブールの別荘に招待する。 別荘ではだれもが…