自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

無法松の一生 1943年

遠い明治の幻影 日本、稲垣浩監督 明治30年、九州小倉、富島松五郎、彼は無法松と呼ばれる喧嘩っ早い人力車夫だった。ある日、怪我をした少年敏雄を助け、家に送り届ける。そこは陸軍大尉、吉岡小太郎の家で夫人のよし子がいた。 吉岡は突然の病気で亡くな…

竹中労「鞍馬天狗のおじさんは」

鞍馬天狗は嵐寛寿郎だった。通称「アラカン」 この本はある人に勧められてずいぶん前に読んだ。おもしろくて夢中になった。 内容はほとんど忘れているが、アラカンが「おなごは可哀そうなものじゃ」と何度も何度も語っていた事はよく覚えている。 だからなの…

ディリリとパリの時間旅行 2018年

悪魔の風車と地下水道 フランス、ドイツ、ベルギー、ミシェル・オスロ監督 19世紀末から20世紀初頭、ベル・エポックと呼ばれる良き時代、美しいパリを舞台にしたアニメ。 ニューカレドニアからやってきた少女ディリリは配達人の青年オレルから声をかけら…

竜二 1983年

今日もドスの雨、刺せば監獄、刺されば地獄 日本、川島透監督 新宿、山東会の幹部、花城竜二は舎弟の二人に賭博場を仕切らせて、優雅な暮らしを続けていた。竜二には別れた妻と幼い娘がいた。彼はヤクザの生活に不安を感じ、落ち着かなくなってきた。 夫婦で…

シマロン 1931年

シマロンとはスペイン語で無法者の意味 アメリカ ウェズリー・ラッグルス監督 1889年、オクラホマ、4月12日、正午の合図と同時に競争によってインディアンの土地を獲得できるランドラッシュ(グレートラン)が行われた。 6週間で荒野に一万人の町オセ…

読書の秋

映画「愛を読むひと」では文字の読めない女性が本を読んでもらうことに至上の歓びを感じていた。「読書する女」は朗読を職業とする若い女性の物語。 本を読むことで世界が違って見える。 私の読書体験はモーリス・ルブラン「怪盗ルパン」やジュール・ヴェル…

SKIN 2019年

タトゥーは皮膚に描かれた表現 アメリカ、ガイ・ナティーブ監督 スキンヘッド集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライアン・ワイドナーの実話を基に映画化された。 2009年、オハイオ州、コロンバス、ブライアンは白人至上主義者の夫婦に実の子のよう…

アップグレード 2018年

仮想世界で生きる人間たち アメリカ リー・ワネル監督 近未来、妻と幸せに暮らしていたグレイ、二人は自動運転の車が横転する事故にあう。そこに4人組の男が現れ、妻とグレイを撃ち殺す。ところがグレイは奇跡的に命を取り留めた。しかし脊髄に損傷をうけ四…

薬の神じゃない 2018年

この世に病はひとつ・・それは貧乏 中国 ウェン・ムーイエ監督 2002年、上海、薬屋を営むチョン・ヨンは家賃も払えず、妻にも見放され、幼い息子の養育権もとられそうな貧しい暮らしだった。 ある日、スイス製の白血病薬グリニックと同じ効き目のインド…

アーニャは、きっと来る 2019年

アーニャはまだか イギリス、ベルギー ベン・クックソン監督 1942年、ピレネー山脈の麓、小さな村レスカン、13歳で羊飼いの少年ジョーは山の中でユダヤ人の男ベンジャミンと出会う。 彼は収容所に送られそうになり、幼い娘アーニャと義母オルカーダの…