自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

エッセイ

高橋真梨子「ランナー」

1994年のロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでの高橋真梨子コンサート。 初の日本人公演だった。ずいぶん前にビデオテープに録画していたのだが、いつの間にか失くしてしまった。 今でも覚えているが、フィナーレに彼女は観客に語りかけるように「…

ウィスキーが、お好きでしょ

ラジオのFM放送からこんなセリフが聴こえてきた。 「気分が落ち込んでいた時、誰か知らない人のリクエスト曲に元気づけられた」確かにそんな曲がある。 その後、「ウィスキーが、お好きでしょ」が流れてきた。この曲に元気づけられたというわけではないが、…

ガーファとビッグデータとAI

GAFA(ガーファ)とはGoogle、Apple、Facebook。Amazon、それぞれの頭文字をとった言葉。現代はGAFA(ガーファ)が支配する世界だと言われている。 この4大企業は莫大な富を生み、膨大な情報(ビッグデータ)を保持している。この富と情報を利用すればどの…

青春ソングのリクエスト番組

ラジオから森田公一とトップギャランの「青春時代」といずみたくシンガーズの「帰らざる日のために」が聴こえてきた。特に好きな歌というわけでもないのに、なぜか懐かしくて青春時代を思い出した。 私の青春ソングの一つは「いい日旅立ち」だ。「♪・・せめ…

平安京とオーロラ

以前、三十三間堂から裏道を通って清水寺まで歩いたことがある。途中の山の中腹に突然、巨大な墓地が見えてきた。 その昔、京の都では戦や疫病や飢餓で多くの命が失われた。そんな平安京にもしオーロラが現れたとしたら。 元村有希子「科学のミカタ」にはこ…

余命14年

たまたま読んだ雑誌に作家の松原惇子の短いエッセイが載っていた。 コロナ禍でかかりつけ医を探していた松原はある医者のもとを訪ねる。その医者はパソコンを見ながら話すのではなく、患者の目を見ながら話していた。 松原は信頼できる先生だと思った。 異常…

「動画配信サービス」のその後

近所のレンタル店が2月に閉店してからは、何度か利用したことのあるゲオの宅配レンタル(スポットレンタル)でDVDを借りている。 旧作が55円になるセール時に借りると、無料クーポンが1枚つくことが多いので、7本借りても郵送料(319円)込みで6…

動画配信サービス

ドン・キホーテのアンドロイドTV 自宅から自転車で行ける距離にレンタル店が4軒あった。2~3年前からそれが1軒になり、その1軒も今月で閉店になる。 たまにゲオの宅配レンタルを利用しているし、一駅先にレンタル店もあるが、それらもいずれなくなって…

冬のホームレスたち

ずいぶん前のことだが・・ 大阪、白昼の西成、男のホームレスが路上に倒れていた。「まな板の上の鯉」のように身体を痙攣させていた。 大阪駅でホームレスたちがレストランの残版を鍋に入れて温めていた。 「夜の姫君」と言われる女のホームレスを見たことが…

10年日記

10年先のことなど分からないが・・ 友人に勧められて2012年から10年日記をつけている。今年で終わるので、先日、来年からの10年日記を買った。ちなみに税込み3300円だった。友人はもう4冊目で39年間、日記をつけている。 実に使いやすい日…

読書の秋

映画「愛を読むひと」では文字の読めない女性が本を読んでもらうことに至上の歓びを感じていた。「読書する女」は朗読を職業とする若い女性の物語。 本を読むことで世界が違って見える。 私の読書体験はモーリス・ルブラン「怪盗ルパン」やジュール・ヴェル…

誰のものでもない

ダノス・タノビッチ監督に「ノー・マンズ・ランド」という作品がある。93年、ボスニア紛争下のボスニアとセルビアの中間地帯(ノー・マンズ・ランド)に取り残された二人の兵士の物語だ。 「ノー・マンズ・ランド」という言葉を初めて知った。 手のひらの…

オレのたったひとつの自慢

忘れられないひと言がある ずいぶん前のことだけれど、遠く離れて暮らす友人と久しぶりに会い、曽根崎のオールドバーで懐かしい話とウィスキーで愉快な時間を過ごした。 再会を約束して梅田駅のホームで彼と別れた。しばらくするとその友人が追いかけてきて…

年齢とともに変わりゆくもの

失われてゆく認知機能 認知症の高齢女性が近くの内科医院を何度も訪れる。先日もコロナワクチンを何度も接種しようとして、夫が医院に迎えに行った。夫はいつも大声で叱るが、妻はすぐに忘れてしまう。 最近、友人に電話をかけると奥さんが認知症になったと…

山崎ハコ 「気分を変えて」

街角スケッチ ラジオから懐かしい歌が聴こえてきた。山崎ハコの「気分を変えて」だった。 「♪・・ゆううつな毎日をどうしよう わかってるけどグズグズしていて直らない このまま閉じこもっているわけにゃいかないが いくらことばでいってもダメなこともある…

「書く」と自分が見えてくる

冥利に尽きる幸運 高峰秀子は昭和四年、子役としてデビューした。昭和二十五年、日本最初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」、映画産業のピーク、昭和二十九年には代表作だと言われている「浮雲」「二十四の瞳」に出演している。 1975年、51歳の高峰…

コロナのなかの映画館

エンターテインメントにエールを 「映画館で映画を観るのは軽い運動をするのと同じぐらい健康にいい」という海外ニュースがあった。家で観るのはダメだという。暗闇の中で観客たちは繋がっている。 個人的な事情がいろいろ重なって最近は映画館に行くことが…

阪急今津線の思い出

有川浩の連作短編「阪急電車」は映画化されているが、小説も面白かった。 今津線の8つの駅を舞台にした「いい話」でほっこりとした気分になれる小説だった。この今津線はかつて私の通学路線だった。 「西宮北口駅」当時、まだ西宮球場があった。あまり下車…

早すぎるとき、遅すぎるとき

映画との出会いと同じように人との出会いも早すぎるとき、遅すぎるときがあると思う。 ずいぶん前のことだが、当時、私は東京でフリーランスの仕事をしていた。仕事仲間に2歳ほど年上の女性がいた。彼女はボーイッシュな秋田美人だった。 私は池上線の洗足…

ラジオのある風景

ずいぶん前からテレビをほとんど観なくなり、ラジオを聴くようになった。特に何か考えのあったことではなく、成り行きでそうなっただけだ。最近の生活は目を酷使するのでラジオはありがたい。 朝、目が覚めるとまずラジオをつけ、しばらくの間ベッドで聴いて…

夢は異界への入り口

ベルイマン監督作品「野いちご」冒頭の夢のシーン、主人公の老人が見知らぬ無人の町を歩いている。老人は馬車から落ちてきた棺桶の中に自分の死体を見て驚愕する。老人は死の恐怖で目が覚める。 私も無人の町を歩いている夢を見ることがたまにある。もちろん…

傷痍軍人

戦争が見える 浅田次郎の短篇小説「金鵄のもとに」を読んでいると物乞いをする傷痍軍人が登場してきた。すっかり忘れていた一つの記憶が蘇ってきて、私はある光景を思い出した。 それは随分前のことだが、場所は大阪、阪急電車の十三駅のガード下で傷痍軍人…

その後の新型コロナウイルス

先日、墓参りに行ってきた。奈良の山奥で今は限界集落になっている。それでも例年ならけっこう帰省する人はいるのだが、今年はほとんどないという。暑い日だったが、一つの役割を終え、いい気分になった。 今までブログに「新型コロナウイルス」「未知との遭…

幸運と不運

どうしようもないことがある しばらく音信のなかった女友達から電話がかかってきた。今、入院しているという。涙声で「私、何か悪いことをした?」という。普段、気風が良くて自立心の強い女性だったので、その痛々しい口調に私はすこし戸惑った。 「そんな…

緊急事態宣言解除後の風景

ショッピングモールはほとんどの店舗が再開して人出は徐々に増えてきた。カフェや飲食店にもけっこう客が入っている。近くのテニスコートでは朝からプレイをしている。ゲートボールも同様。 スーパー銭湯や温泉施設(検温あり)は普段よりは少ないがある程度…

未知との遭遇(新型コロナウイルス)

いつの間にか季節が移っていた 太古の昔から人類は未知のウイルスに何度も遭遇してきた。「絶滅するのは人類か、ウイルスか」・・多くの人命は失われたが、生き残ったのは人類だった。 友人たちから近況を知らせるメールやウイルス関連の動画が送られてきた…

新型コロナウイルス

欲しいのは小さな希望 先の見えない閉塞感と錯綜する情報に人びとが不安になり、うろたえている。 私のまわりにもトイレットペーパーや食料品を買占める人や、感染を怖れて5階の部屋に閉じこもる人や、何度も手洗いを繰り返す人がいる。 私は多少の不便はあ…

わたしの「青い山脈」

♪若く明るい 歌声に・・♪ 私もほんの数回しか見たことがないが、とても晴れた日、ごくまれに六甲山系が青く霞んで見える時がある。だから私は六甲山系が「青い山脈」だと思っている。 六甲山系の摩耶山から海の彼方を見ると、淡路島や大阪や和歌山が近くに見…

凄まじい人生

事実は小説より奇なり 病気ほど人を不安にさせ、挫けさせるものはない。生きる気力さえ奪ってしまう事がある。人の一生は病気との闘いの歴史といっていいのかもしれない。 以前にも書いたことはあるが、ヘミングウェイは多くの病気と怪我に苦しんだ。 左目の…

読み書きができるということ

7億5000万人 映画「愛を読むひと」は主人公の女性が文盲だったということがとても衝撃的だった。第二次大戦前後のドイツ、若い女性ハンナは本を朗読してもらうことが好きだった。彼女は文字を読むことができなかった。 彼女は裁判での筆跡鑑定を断り、文…