自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

恐竜100万年

1966年、イギリス、アメリカ、ドン・チャフィ監督、特撮レイ・ハリーハウゼン 

太古の原始時代、人々は少人数の部族で暮らし、他の部族とは交流がなかった。山に住む粗暴な部族の男が洞窟を追い出され、放浪の末、海辺に住む金髪の部族と出会う。

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海辺に住む金髪の部族は穏やかな性格で壁画を描き、死者を埋葬する文化を持っていた。しかし男はささいな争いからそこも追い出される。金髪の美しい女を連れてもとの部族の洞窟へ戻る途中、二人は原始人よりももっと未開の猿人の洞窟に入り込んだり、翼竜に女がさらわれたり、恐竜を刺し殺したりと、命がけのさまざまな冒険をつづける。

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ある日、火山の大噴火で洞窟に住む部族と海辺に住む部族はほとんど死んでしまう。生き残った二つの部族の原始人たちはあてもなく岩だらけの荒野をさまよう。

時代考証などまったく気にしない絵空事パルプマガジンのような面白さがあった。

ドン・チャフィ監督と特撮のハリーハウゼンは今ほど撮影技術が進歩していなかった時代に、このような荒唐無稽な映画をたくさん残している。「原子怪獣現わる」「シンドバッドの冒険」シリーズ、「タイタンの戦い」「SF巨大生物の島」「アルゴ探検隊の大冒険」と多彩だ。

従来の映像概念を変えたデジタル撮影技術の現在ではもうこんな映画は見向きもされないだろう。でもまだ少年少女の心を失っていない大人は「アルゴ探検隊の大冒険」の骸骨戦士に夢中になってしまうかもしれない。