マーロとタリー
2018年、アメリカ、ジェイソン・ライトマン監督
マーロは問題児の息子を抱えながらも3人目の子供ミアを出産した。育児ノイローゼで家の中は荒れ放題で、彼女自身はヒステリックでだらしない服装の肥満気味の女性だった。
夫は頼りにならなかった。仕方なく夜だけのベビーシッターを雇う。やってきたのは26歳の女性タリーで、彼女は家の中を片付け、汚れていた床を掃除する。赤ん坊のミアの子守も完璧にこなした。家庭が穏やかになり、マーロは睡眠をとることが出来て若い頃の輝きを取り戻してくる。
ベビーシッターのタリーは夜の10時半にやってきて朝には必ず帰ってしまう。タリーは自分のことを話さない謎の女性だった。
仕事人間で家庭を顧みない夫と育児と家事に追われて自分を見失ってゆく妻の物語という一面はあるが、むしろ「タリー」の再生物語とみたほういいかもしれない。では「タリー」とはいったい何者なのか。
「♪違う場所を探していた 自分の場所を 新たなチャンスを探して 陽の光に向かう道を 陽の光のほうへ・・♪」
「♪人は二度生きる そうかもね 一度は自分のため もう一度は夢のため・・♪」
タリーの正体が分かったとき、この映画は一人の女性をめぐるファンタジックで不思議な物語だったと気づく。