子どもにチャンスだけは与えたい
1996年、アメリカ、リー・デビッド・ズロトフ監督
パーシーは5年間の刑期を終えて出所した。メイン州の田舎町ギリアドの軽食カフェで働くことになる。よそ者の彼女は町の人たちの好奇の眼にさらされる。カフェの女主人ハナは店を売りに出していたが、買い手が見つからなかった。
パーシーは100ドルで応募できる作文コンテストで参加者に「なぜこの町のカフェが欲しいのか」を書いてもらい、その中から優勝者を選び、賞品としてカフェを譲るのはどうかと提案する。広告を出すと驚くほどの作文が集まった。その参加費だけでカフェの売り代金を上回っていた。住民たちは応募作文を回し読みしていつしか町に活気が戻ってくる。
「100ドルは一度には払えませんが、この子のために応募しました。この子に必ずチャンスだけは与えてやろう・・・絶対にチャンスだけは」
やがてコンテストの優勝者のシングルマザーが赤ちゃんを背負ってバスから降り立つ。
珠玉という言葉にふさわしいフィンランド映画「ヤコブへの手紙」
終身犯の女性レイラは恩赦で12年の刑期で出所してきた。盲目のヤコブ神父のもとに住み込んで働くことになる。彼女の仕事はヤコブ神父に送られてきた手紙を読み、返事を書くことだった。レイラは手紙を読むふりをして自分の身の上を話しだす。
どちらも美しい自然の片田舎を舞台に、殺人という罪を背負い刑期を終えた二人の女性の哀しくも心温まる物語だった。