自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

邂逅(めぐりあい)1939年

天国にいちばん近い場所

1939年、アメリカ、モノクロ、レオ・マッケリー監督

 1957年にケーリー・グラント、デボラ・カー、1994年にはウォーレン・ベイテイ、アネット・ベニングで「めぐり逢い」としてリメイクされている。今では誰もが知っている古典的なラブストーリーだが、オリジナル版の「邂逅」がいちばん記憶に残っている。

 

 プレイボーイのミシェルはヨーロッパからアメリカに向かう船中で美人歌手のテリーと知りあう。それぞれに恋人はいたが二人は愛し合い、半年後の7月1日にエンパイアステートビル102階の展望台で会う約束をする。

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しかし約束の日、エンパイアステートビルの前でテリーは交通事故にあう。ミシェルは待ち続けるが彼女はやってこない。

 時は流れ、テリーは車いすの生活になり、ミシェルは画家として成功していた。クリスマスイブに二人は偶然、コンサートで出会うが驚きのあまりお互いに声をかけあう事ができず、言えたのは「こんばんは」だけだった。

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クリスマスの日、ミシェルは別れの挨拶と祖母の形見のショールをテリーに渡すために、彼女の部屋を訪ねる。すっぽかされた男の嫌みと真実を明かせない女の哀しみが交錯する。

 帰り際、ミシェルは彼女がずっとソファに座ったままだった事を不審におもって奥の部屋に入ると・・・。

舞台劇のような息詰まるシーンがこの映画のもっとも秀逸なところだった。

 

涙ながらテリーは交通事故にあったことを初めて話しだす。

「つい上を見上げていたの・・天国にいちばん近い場所、そこにあなたがいる」