映画とジャズを愛する和田誠が亡くなった
2001年、日本、和田誠監督
銀座の夜、ライブハウスでジャズ演奏をするトランぺッターの守山、曲はセロニアス・モンクの名曲「ラウンド・ミッドナイト」ミッドナイトはしずかに過去をふり返る時間。スコッチよりもバーボンが似合う。女性客が「月の砂漠」をリクエストするが、守山は「ジャズではないから演奏しない」と休憩のために屋上へ上がる。
不法入国の中国人ホステスのリンダは殺人を目撃する。殺人犯二人は悪徳警官だった。守山は休憩中に彼女を助け、二人で夜の東京を逃げ回る。しかし守山は 真夜中の12時までにライブハウスに戻らなければならなかった。
真田広之、岸部一徳、國村準、柄本明、笹野高史、もたいまさこ、大竹しのぶ、斉藤晴彦、高橋克実、唐沢寿明、戸田菜穂。三谷幸喜、名古屋章、小松政夫、柴田理恵・・といった一癖も二癖どころか三癖も四癖もありそうな出演者をみればどんな映画か想像がつくだろう。
仲間たちとワイワイと賑やかに映画作りをしているようで羨ましい。ジャズや映画の話をすれば「初めて会う人とも通じ合える」
名作、傑作でなくてもいい、ジャズファンにはゴキゲンな映画でライブシーンだけでも満足する。そして映画ファンにはヒッチコックやビリー・ワイルダーが活躍した時代の映画の感触を思い出させてくれる。
監督が映画とジャズを愛する和田誠というのも嬉しい。
東京の夜とジャズはとても似合う。映画が街をつくり、街が映画をつくる。東京のミッドナイトってこんなにも魅惑的だったのか。
和田誠監督はこう言っている「お楽しみはこれからだ」