自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ゴースト・ストーリーズ英国幽霊奇談

幽霊はいるのか、いないのか

2017年、イギリス、アンディ・ナイマンジェレミー・ダイソン監督

 グッドマン教授は偽の霊媒師や超能力者のトリックを暴き、人々に真実を知らせる仕事に誇りをもっていた。ある日、グッドマンが尊敬するキャメロン博士から「どうしてもトリックが見破れない3つのケース」の真相を調査するようにと依頼される。

元精神病院の初老の夜間警備員、大学受験に失敗し、交通事故を起こした若者、出産で妻を亡くした裕福な男。この3人が体験した超常現象の真相を探るためにグッドマンは訪ね歩く。

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「見えるものが真実とは限らない」「人は見たいものだけを見る」

 3人の体験した超常現象は「英国幽霊奇談」という名称にふさわしい正統派の幽霊話で、なかなか興味深いものだった。でもこの映画の見どころは予想外の結末にある。

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映画の中に「閉じ込め症候群」になった娘が登場する。じつはこれが結末への伏線になっていた。「閉じ込め症候群」とは自分自身を自分の中に閉じ込めてしまうことだった。それを知ったとき「見えるものが真実とは限らない」「人は見たいものだけを見る」という言葉を思い出す。

古典的な英国幽霊奇談に現代の精神的な病(トラウマ)を持ち込んだトリッキーな物語で、騙される快感もあり充分に楽しめた。

 

ところで幽霊はいるのか、いないのか・・・幽霊は脳のなかにいる。