いつの間にか季節が移っていた
太古の昔から人類は未知のウイルスに何度も遭遇してきた。「絶滅するのは人類か、ウイルスか」・・多くの人命は失われたが、生き残ったのは人類だった。
友人たちから近況を知らせるメールやウイルス関連の動画が送られてきた。彼らはマスメディアやインターネットの情報にとても詳しい。おそらく、単に私が情報に疎いだけなのだろう。
長い間、音信のなかった女友達からは電話があった。その陽気で元気な声を聞くとなぜか安心した。
サッカーやバドミントンをする子どもたちの笑い声が聞こえる。大人たちは死の恐怖にとらわれている。ウイルスよりも仕事を失うことが不安だという人がいる。豹変して隠されていた性格があらわれた人もいる。
もちろん世界の危機を訴え続けている人もいる。「ステイホーム」「お家がいちばん」とさかんに言われだした。
どこか監視社会を思わせるような息苦しさを感じるようになった。それでも季節は移り変わる。
「自由」と「正義」、そして「生命」と「経済」、どちらを選ぶのか、そのジレンマに直面している。私たちはパニックに陥ることなく、最終的には絶妙にバランスのとれた判断をする・・今はただそれを信じるのみだ。