自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

心の旅路 1942年 

ハッピーでなければエンドじゃない

アメリカ マーヴィン・ルロイ監督

 1917年、フランス戦線で記憶を失った英国陸軍大尉がメイブリッジ精神病院に収容されていた。1918年秋、戦争が終わった霧の深い夜、彼は病院を抜け出す。そして偶然ダンサーのポーラに助けられ。いつしか彼女と田舎町で暮らし始める。男は過去も名前も思い出せない。

ポーラは彼のことをスミシーと呼び、やがて結婚し、幸せな日々を送っていた。

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1920年にリバプールに出かけたスミシーは交通事故のショックで昔の記憶が戻ってくる。しかし3年間の記憶は空白でポーラとの生活はすべて忘れていた。ポケットにあった鍵だけが過去を教えるものだった。

 

彼は実業家の息子で本名をチャールズ・レイナーという。やがてチャールズは若き実業家として成功してゆく。そこにポーラがマーガレットと名前を変えて秘書として雇われる。チャールズはポーラと会ってもまったく覚えていなかった。

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記憶が戻らないままチャールズはマーガレット(ポーラ)と結婚する。普通ならこれでハッピーエンドになるはずだが、ここからがこの映画の見どころだ。

 

チャールズがメイブリッジの深い霧のなかを彷徨っていると徐々に記憶が蘇ってくる、このあたりからたたみかけるように結末に向かってゆく。

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戦場で記憶を失い、交通事故で記憶がもどる・・現実とはあまりにもかけ離れしているのでリアリティを感じないかもしれない。でもどこか現実とつながっている。その狭間に感動があり、それが映画なのかもしれない。