自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

戦火の勇気 1996年

戦場はブラックボックス

アメリカ エドワード・ズウィック監督

イラクとの湾岸戦争、サーリング中佐は誤って味方の戦車を攻撃して、親友のボイヤー大尉を死なせてしまう。その罪の意識にとらわれて酒に溺れていた。

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そんな中、サーリング中佐は戦闘中に亡くなった救急ヘリの女性パイロット、カレン・ウォールデン大尉への名誉勲章授与に関する調査を命じられる。実現すれば史上初の女性名誉勲章受賞者になる。軍も政府高官もそれを望んでいた。

 

イラク兵に囲まれた補給部隊を助けようとして、ウォールデン大尉たちの救急ヘリは墜落してしまう。しかし墜落してもウォールデン大尉たちはイラク軍と戦い続ける。長い夜が明けて救援のヘリが救出にきた。死亡したウォールデン大尉を残し、部下の兵士たちを救出してヘリは飛び立ってゆく。

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調査を進めてゆくとウォールデン大尉の部下4人の証言がどこかおかしい。そして補給部隊の兵士たちは夜が明けてからも救急ヘリのM-16(自動小銃)を撃つ音が聞こえたと証言した。ところが救急ヘリの兵士たちは「M-16は弾切れだった」と言う。

もしウォールデン大尉の部下たちが救出された後も、M-16が撃ち続けられていたとしたら一体、誰が撃っていたのだろう。

 

ウォールデン大尉は勇敢に戦い死んでいった英雄なのか、それとも臆病者なのか。

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ウォールデン大尉役のメグ・ライアンは今までのイメージとまったく違う役柄で、いかにもミスキャストを思わせるが、ところが逆にこの映画の大きな魅力だった。戦争映画であるがミステリータッチのヒューマンドラマともいえる。

 

大尉の部下で軍曹役のルー・ダイアモンドは私のお気に入りだが、それと同じように「戦火の勇気」も私のお気に入りの一本。