自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

緑の光線 1986年

それを見たものは幸せになる

フランス、エリック・ロメール監督

秘書のデルフィーヌ、バカンスは友だちとギリシア旅行の予定だったが、その友達から急にキャンセルの電話が入る。別の友だちがデルフィーヌをシェルブールの別荘に招待する。

別荘ではだれもが親切にしてくれるのだが、デルフィーヌは溶け込めなくて寂しい思いをする。パリに戻り、今度は山に行くがそれもつまらなくて、また戻ってきて一人でパリの街を歩き回る。

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何処に行っても一人じゃつまらない、私には何の価値もないから人が近づかない、努力しているのに変わり者と言われる、恋人を探せ、行動しろと言われるができない、デルフィーヌは泣いてしまう。

 

偶然出会った女友だちに海辺の町ビアリッツを勧められ、また一人で出かける。町を散歩していると、中年女性たちの会話が聞こえてくる。ジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」が話題だった。

晴天で空気が澄み、雲も全然ない日に太陽が沈む時、最後に明るい緑の光線を放つという。めったに見る事は出来ないが、それを見た人は自分と相手の気持ちが分かるという。デルフィーヌの今年の運命の色は緑だった。

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デルフィーヌが駅の待合室で本を読んでいると若い男が声をかけてくる。「ドストエフスキーの『白痴』だね」「もう少しで終わりよ」「駅での待ち時間は気が滅入るね」デルフィーヌは家具職人だというその男とは気軽に会話ができた。

 

二人で港町リュズに出かけ、岬から海を眺める。やがて太陽が沈むと、一瞬、緑の光線が・・・。

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ファッショナブルなパリジェンヌたちの女子トークが延々と続く・・ああ、これがフランス映画なのだと思った。