自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 

ボブ・ディランの曲にのせて

2018年 アメリカ ダン・フォーゲルマン監督

ニューヨーク、身重の妻を交通事故で亡くしたウィルは精神科医のセラピーを受けていた。交通事故の時、妻は奇跡的に娘を出産した。妻がボブ・ディランの熱烈なファンだったので、娘にディランという名をつけるがウィルは娘に会うことなく自殺する。

 

たまたまスペインから家族と旅行に来ていた少年ロドリゴは、その交通事故をバスの中から見る。アメリカとスペイン、この二つの家族の父母、祖父母にわたる物語が並行して描かれる。

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最初、物語はどこに向かっているのかわからない。でも徐々に全体像が見えて結末が予想できるようになると、逆に物語に引き込まれてゆく。

 

スペインのロドリゴは死を迎えた母に「人生に立ち向かって前に進めば愛を見つけられる」と教えられる。一方、ニューヨークのディランは祖父母に大事に育てられ、大人になった。しかしどのように生きていけばいいのかと悩んでいた。

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ある日のニューヨーク、ロドリゴはランニング中、ベンチで泣いている女性を見かけ声をかける。

場面が一転して若い女性が学生たちを前に語っている。「その日、私の父ロドリゴは母ディランに出会った。人生で最も大切な日だった。42年間、二人は片時も離れず、4人の子と7人の孫に恵まれた」

 

二つの血脈が重なり一つの家族になった。一つの生命ですら多くの血脈からなっている事を知り、胸が熱くなる。