自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

カセットテープ・ダイアリーズ 2019年

原題は「Blinded by the Light」光で目もくらみ

イギリス グリンダ・チャーダ監督

1980年代のイギリスの田舎町ルートン、だれもが通り過ぎてゆくだけの退屈な町だった。

パキスタンからの移民の子ジャベドは1987年に16歳の高校生になった。町の人種差別や保守的な父親から価値観を押し付けられ、彼は毎日が憂鬱だった。

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そんな暮らしの中、ジャベドはブルース・スプリングスティーンの音楽を知り、大きく変わってゆく。

 

初めてジャベドがスプリングスティーンを聴いて感動するシーンは彼の高揚感が強く伝わってきた。これがこの映画の最高のシーンだった。

夜、外では強風が吹き荒れている。紙が舞っている。ジャベドはカセットテープを聴く。スプリングスティーンの力強い声が彼に勇気を与える。

 

「・・♪何も言うことなどないんだ ただ疲れているだけ 疲れている自分にうんざりしているんだ ベイビー少しだけ力を貸してくれないか 掃きだめ暮らしでどこにも居場所がない どこかで何かが起こっているんだ それは分かっている 火をおこせない 火花がなきゃ火をおこせない・・♪」

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ジャベドはその火花を手に入れた。音楽で開かれてゆく道がある。しかしそれはまた父や家族との軋轢を生んだ。

 

青春音楽映画はいつだって爽快だ。