自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

恐怖の精神病院 1946年

怪奇映画からホラーへ

アメリカ マーク・ロブソン監督 79分

1761年のロンドン、セント・メリー精神病院、その病院長シムズは患者を残虐に扱い、笑いものにしていた。患者を見世物にして、全身に金箔を塗って窒息死させる。

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モーティマ卿の話し相手だった若い女性ネルはそんなシムズの非道さを嫌っていた。ネルがモーティマ卿と決別すると、シムズは策略で彼女を精神病院に入れてしまう。

 

病院内は暗く、不潔で獣じみた叫び声がする。あれほど患者たちに同情していたネルはシムズと同じように患者は汚くて野蛮だと思う。でもネルは自分の間違いに気づき、患者たちと打ち解けてゆく。シムズは患者以上に精神を病んでいた。

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ネルが精神病院に無理やりに収容されたと知ったクエーカー教徒の青年が彼女を助けようとする。

やがて虐待されていた患者たちが反乱を起こし、シムズは生きたまま石壁の中に閉じ込まれてしまう。

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1773年、精神病院は改善され、患者は適切な治療をうけるようになった。

 

「恐怖の精神病院」と以前にレビューしたことのあるロバート・ワイズ監督「キャット・ピープルの呪い」、ジャック・ターナー監督「私はゾンビと歩いた」は異色短篇作家(ロアルド・ダールシオドア・スタージョン、シャーリィ・ジャクスン、ジョン・コリア、デュ・モーリアブラッドベリ・・)の奇妙な味の短篇を思わせる映画だった。

1950年前後にはこのような低予算で80分程度の怪奇的、幻想的な映画がたくさん撮られていたのかもしれない。