自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

クロスマネー 2018年

ビンラディン」70枚

スペイン コルド・セラ監督

福祉事務所に6歳の娘を取り上げられたシングルマザーのラケル、彼女は銀行の支店長に会い、賄賂を渡せば娘は返してもらえると説明して、35000ユーロの融資を申し込む。偽の登記書をみせて信用させ入金作業に入った。

そこに男女二人組の強盗が押し入ってくる。どちらもムショ帰りで、男はヘロイン中毒者、もう一人は何をするか分からない片目のつぶれた人殺しの女だった。

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やがて警察が銀行の周りを取り囲み、交渉人の警部補が指揮をとって犯人たちと交渉する。

ラケルは娘を取り戻すためにはどうしても明日までに35000ユーロが必要だった。入金作業を続ける交換条件として二人組と警察の交渉窓口になる。

しかしラルケはIQ167の女詐欺師だった。

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ビンラディン」とは500ユーロ紙幣のことで「見たものはいない」という意味の隠語だった。そこにこの映画の隠された意味がある。誰も真実を見たものはいなかった。

 

とても面白い題材なのだが、全体的に緩い演出で満足度はもう一つだった。でも水準以上のクライム・サスペンスで充分に楽しむことができた。

柔らかいフランス語もいいが、スペイン語の簡潔な響きも好きだ。世界中の言葉を聴くことができるのは映画の楽しみの一つだと思う。