雨のパリがいちばんステキだ
売れっ子の脚本家ギルは婚約者のイネズ、そして彼女の両親とパリにやってきた。ギルはパリに魅せられて、この街で小説を執筆しようとしていたが、イネズは無関心で心は離れ離れになっていた。
ギルは一人で散歩に出かけるが、深夜12時の鐘と同時に迎えに来た旧式のプジョーに乗って1920年代のパリにタイムスリップしてしまう。パーティでフィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、コール・ポーター、ダリ、ピカソ、マン・レイ、ルイス・ブニュエルなどと出会う。
ギルは有頂天になって毎夜、20年代のパリを訪れる。
ギルはパーティで知り合った魅惑的な女性アドリアナに夢中になり、二人で19世紀末のベル・エポックの時代へと遡る。
軽快な音楽、嫌味がなく素直でリズム感のいい作品だった。パリの街そのものが名画であり、芸術品だった。
人は退屈な現実にうんざりして、過去が輝いているように見えてくる。そうでないことは分かっているが、今の時代よりも過去にこそ「黄金時代」があると憧れる。実際そうかもしれないが。
現代に戻ったギルは婚約者イネズと別れ、パリジェンヌのガブリエルと小雨の降るパリの舗道を歩いてゆく。