自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

透明人間 2020年

見えないストーカー

アメリカ、リー・ワネル監督

セシリアは光学研究者の第一人者であるエイドリアンと暮らしていたが、支配欲のつよい彼との生活が苦痛だった。ある夜、妹エミリーの手助けで豪邸を逃げ出す。

 

2週間後、セシリアは友人の警察官ジェームズの家に匿われていた。でもエイドリアンへの恐怖で外出することができなかった。

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やがてエイドリアンが自殺したと知らされる。セシリアはエイドリアンの兄の弁護士トムから500万ドルの遺産が相続できると言われる。しかしそれには「彼女が罪を犯さない限り」という付帯条件がついていた。

 

その後、セシリアの周りで奇妙なことが起こる。セシリアは「彼は死んではいない、姿がみえないだけ」と訴えるが、誰も彼女の言うことを信じなかった。エイドリアンは生きていた。

カメラのついた光学スーツを着て透明人間になり、セシリアをストーキングしていたのだ。セシリアは恐怖と絶望と悪夢におそわれる。

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部屋に誰かがいる、ただ見えないだけだ。一瞬、透明人間が見えると、その姿はまるでエイリアンのようだった。

 

SF、ホラー、サスペンスといろいろな要素を併せ持った作品で、低予算ながらどこか「見えない」面白さがあった。

 

かつての牧歌的な透明人間が禍々しいストーカーに変わった。包帯を巻いた「透明人間」にはもう会えないのか。