自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

アーニャは、きっと来る 2019年

アーニャはまだか

イギリス、ベルギー ベン・クックソン監督

1942年、ピレネー山脈の麓、小さな村レスカン、13歳で羊飼いの少年ジョーは山の中でユダヤ人の男ベンジャミンと出会う。

彼は収容所に送られそうになり、幼い娘アーニャと義母オルカーダの家で落ち合う約束をして別れた。

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ベンジャミンはオルカーダの家に隠れ、アーニャを待ちながらナチスの手から逃れてきたユダヤ人の子供たちを匿っていた。ピレネー山脈を越え、子どもたちをスペインに逃がそうとしていた。ジョーと祖父アンリはその計画に協力してゆく。

ところがいつまでたってもアーニャは現れなかった。

 

その一方、ジョーは人間味あふれたドイツ軍のホフマン伍長と心を通わせてゆく。

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天空を飛翔する鷲、南仏の豊かな大地、美しい山岳風景、冬山の雪景色、素朴な村人たち、大自然のなかに人と風景の物語があった。

アーニャを待ちきれなくて、ジョーたちは羊の群れを連れ、7人のユダヤの子どもたちと険しいピレネー山脈を越えてゆく。

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やがてドイツ軍が去り、終戦を迎えた。その一年後、アーニャはまだ現れなかった。ある日、オルカーダに一通の電報が届く。アーニャからだった。

ロングショッでとらえたラストシーンがとてもよかった。

 

サスペンスもなく、スリリングでもないがラストまで惹きつけられた。児童文学を読んでいるような爽やかさが残った。