自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

竹中労「鞍馬天狗のおじさんは」

鞍馬天狗嵐寛寿郎だった。通称「アラカン

この本はある人に勧められてずいぶん前に読んだ。おもしろくて夢中になった。

f:id:hnhisa24:20211025090508j:plain

内容はほとんど忘れているが、アラカンが「おなごは可哀そうなものじゃ」と何度も何度も語っていた事はよく覚えている。

だからなのか、アラカンは5回の結婚と4回の離婚を繰り返したが、そのたびに前妻に全財産と家を譲り渡していた。鞍馬天狗のように「弱きを助け強きを挫く」おじさんだったのかもしれない。

ラカンの従妹が森光子だと知ったのもこの本からだった。

 

本のなかのアラカン節の痛快さはこんな言葉にもあらわれている。

「ゲイジュツ、関係おまへんのや。そらまあ、ベストテンやら賞をとる俳優さんもいて結構、ワテらのように娯楽専一、お客を喜ばせることに徹する役者もおらな、カツドウシャシンは成り立っていきまへん」

f:id:hnhisa24:20211025090538j:plain

一度だけテレビ放送で1951年の映画「鞍馬天狗 角兵衛獅子」を観たことがある。杉作少年を演じていたのが美空ひばりだった。

映画「明治天皇と日露大戦争」でのアラカン明治天皇だった。晩年は「網走番外地」シリーズに老侠客、鬼寅、「男はつらいよ 寅次郎と殿様」では殿様役で出演していた。

 

1902年に京都、木屋町三条下る、で生まれ、1980年に西京区で亡くなった。