自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

シャーロット・グレイ 2001年

女諜報員の戦争

アメリカ、ジリアン・アームストロング監督

第二次大戦下のイギリス、看護婦のシャーロット・グレイは汽車の中で、政府関係者リチャードからパーティに誘われる。そこでパイロットのピーターと一瞬のうちに恋に落ちる。

 

シャーロットはフランス語が堪能だったのでリチャードからドイツ占領下のフランスで諜報員になることを要請される。諜報員の訓練を受けたシャーロットはフランスに渡ったピーターを追いかけ、ドミニクと名乗り、南フランスの田舎町にパラシュートで降り立つ。

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そこでレジスタンスのリーダー、ジュリアンに会い、情報伝達の役目をはたしてゆく。ジュリアンは二人のユダヤ人兄弟を匿っていた。

危険を察したジュリアンはドミニクと一緒に逃げようするが、彼女は「私の何を知っているの、本当の名前も知らないでしょう」と断った。シャーロットにはやり残したことがあったのだ。

 

6か月後、彼女はロンドンに戻っていた。死んだと思っていたピーターが生きていた。しかし生死をさまよう体験をしてきたシャーロットは「時は戻らない」と言ってピーターと別れ、1945年、平和になったフランスの田舎町にジュリアンを訪ねる。

そして彼に「あなたに話したいことがあるの」

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スーパーヒロインではなく、平凡な女性が諜報員になり戦争の悲惨と破壊を知ってゆく物語。

戦前の面影を残すフランスの田舎町の佇まいとラストシーンでシャーロットの放つ一言が最も印象に残る映画だった。