時空間を超えて
フランス、日本、諏訪敦彦、イポリット・ジラルド共同監督
パリ、9歳の少女ユキ、フランス人の父と日本人の母が離婚することになり、日本で暮らすことになるが、ユキはパリを離れたくなかった。親友のニナの母もシングルマザーだった。
二人は家出して田舎に住むニナの父親の家を訪ねるが留守だった。二人は森の中に入り込んで迷子になる。ユキはニナと離れ、一人、森の中で妖精と暮らそうとどんどん深い森の奥に入ってゆく。
やがて森が開けた場所に出る。不思議なことにそこは日本の森だった。
民家でユキは日本人の女の子たちとカルタで遊ぶ、優しいおばあさんが飲み物をもって現れる。女の子たちは母親たちと帰ってしまう・・「さようなら、さようなら」
ユキも再び森の中に入ってゆくと、探しに来ていた父親と出会う。そこは元のフランスの森だった。
日本で暮らし始めたユキは母親と一緒に、優しいおばあさんの住んでいた民家を訪ねるが無人だった。周りを歩いているうちにユキの母親は子どもの頃にこの森や小川で遊んだことを思い出す。
フランスのファンタジーなのか、日本の幻想譚なのか、不思議だがとてもリアルな物語のように思えた。妖精のような少女時代を切り取った爽やかな映画。