迫りくる恐怖
アメリカ、トーマス・ベズーチャ監督
1960年代のモンタナ州、元保安官のジェームズと妻マーガレットは落馬事故で息子ジェームズを亡くす。3年後、未亡人になった義理の娘ローナは息子のジミーを連れて再婚するが、夫となったドニー・ウィボーイは暴力的な男だった。
マーガレットは偶然、路上でドニーがローナと孫のジミーに簿力を振るっているところ見る。何の連絡もなく突然、ドニー一家は引っ越ししてしまう。
ジェームズとマーガレットは虐待を受けているローナと孫のジミーを取り戻すために、ドニーの実家のあるノースダコタ州に向かう。その途中、二人は辺境の地で孤独に生きる先住民の血をひくピーターと知り合う。
町はずれに邪悪なウィボーイ家の家がひっそりと建っていた。そのウィボーイ家を牛耳っている女家長ブランシュはサイコパスだった。
マーガレットは孫のジミーを溺愛しており、ブランシュは息子たちを精神的に支配していた。この二人の女性はどこか異様な性格と価値観をもっていた。それがこの映画に不穏な空気感を漂わせ、やがて徐々に恐怖心が増してくる。
ハッピーエンドというわけではないが、単なる復讐劇に終わらせない「苦さ」の残るいいスリラー映画だった。