自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

サルサ! 1999年

キューバ音楽とサルサ                

フランス、スペイン、ジョイス・シャルマン・ブニュエル監督

クラシックのピアニストで将来を嘱望されたフランス人の青年レミは、キューバ音楽に魅せられて、キューバ人作曲家の閉鎖寸前の店を借りて、サルサのダンス教室を開く。

彼は肌を褐色に塗り、髭を生やし、変装してすっかりキューバ人になりきった。

その教室にやってきたのが若い女性ナタリーだった。彼女には婚約者がいた。でもレミとナタリーはサルサをとおして惹かれあってゆく。

そしてナタリーの祖母の40年前の恋の結末にだれもが驚く。

 

映画としての出来はもう一つだが、生命力があふれたキューバ音楽とダンスに惹きつけられた。レミはキューバ人の友人に「なぜいつもハッピーでいられるのだ」と訊くと、友人はこう答えた「しあわせだと思うのか・・キューバ人になりたかったら苦しみを笑いで隠せ」と。

ブラジルのサンバ、アルゼンチンのタンゴ、キューバサルサラテン音楽の強烈なリズムとセクシーなダンスが私たちに生きる歓びを与えてくれる。

タンゴの映画はたくさん観てきたが、サルサの映画は初めてだった。

 

ヴィム・ヴェンダース監督作品「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」には及ばないがキューバ音楽を楽しめる一本だ。