大自然のなかで生きる熊とハンター
フランス、ジャン=ジャック・アノー監督
1885年のカナダ、ロッキー山脈、母熊と子熊が大好物の蜜蜂の巣を夢中になって食べていると突然、がけ崩れが起こり、母熊は死んでしまう。
子熊は厳しい自然の中で生きていかなければならない。
食べ物を探していた子熊はハンターに撃たれ、手負い熊となった雄熊と出会い、その傷口を舐めて治す。
父と息子のように二頭は山の奥に入ってゆく。ハンターたちがそれを追ってゆく。
子熊は死んだ母熊の夢を見てうなされ、毒キノコを食べて幻覚症状に襲われたりする。人間のドラマと少しも変わらない。
大自然の中で生きる熊とハンターたちの物語だが、そこには感動的なシーンがいくつかある。巨大な雄熊がハンターを襲うが、命乞いをするハンターの哀れな姿を見て、殺さすに去ってゆく。次のシーンでは反対にハンターが熊を撃ち殺すのをためらい、逃がしてやる。
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やがて冬がやってきて、二頭は長い冬眠に入る。それは幸せな眠りだった。
アノー監督には「薔薇の名前」「人類創世」「愛人/ラマン」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」「スターリングラード」などまったく違ったジャンルの作品がある。
そしてトラの兄弟の再会を描いた「トゥー・ブラザーズ」もまた動物を主人公にした優れた映画だ。