自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

駆逐艦ベッドフォード作戦 1965年

予期せぬ出来事

アメリカ、ジェームズ・B・ハリス監督

東西冷戦下、アメリカ海軍の駆逐艦ベッドフォードグリーンランドアイスランドの中間点の海域を巡視していた。氷山の下に潜航していたソ連の潜水艦をレーダーはキャッチした。

艦長は司令部の「待機せよ」という命令が不満でハンターのように執拗に潜水艦を追い詰めてゆく。潜水艦は20時間以上も潜航しているため浮上する必要があった。艦長はその機会を狙っていた。

独善的な艦長フィンライダー、黒人記者マンスフィールドと軍医ポッター、アドバイザーの元Uボートの艦長、そして300人の乗組員たち。

艦内ではフィンライダー艦長の厳しい命令に緊張感が絶えず、それはやがて不穏な空気を生む。

艦長は「先制攻撃を受けてから、こちらが反撃する」と余裕をもっていたが、精神的に追いつめられていた部下が慌ててミサイルの発射ボタンを押してしまう。それは潜水艦に命中する。

ところが潜水艦は爆破される寸前に魚雷4発を駆逐艦に向かって放っていた。

艦長は予期せぬ出来事に唖然とするだけだった。

 

この作品が描いていたものは一つだけだった。それは艦長の独裁でも、記者の正義でもなく、戦争は偶発的に起こるということだった。