スレブレニツァの虐殺
ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、ルーマニア、オランダ、ドイツ、ポーランド
フランス、ノルウェー
ヤスミラ・ジュパニッチ監督
妻であり母であるアイダの目を通してスルプスカ共和国軍によるジェノサイドの全貌を描いた作品。
1995年7月、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期、スレプレニツァの町がムラディッチ大将率いるスルプスカ共和国軍(セルビア兵)によって占拠され、民間人たちは国連基地に逃げ込んできた。
国連平和維持軍の通訳アイダは夫と二人の息子を助けようと奔走する。国連は弱腰でセルビア兵のなすがままになり、民間人たちを保護できずに8372名が殺された。
かつて町ではボシュニャク人(ムスリム)、クロアチア人、セルビア人が共存していた。
戦後、遺体を確認するシーンがある。殺風景な部屋にボロボロの服と骨になった遺体が並べられている。遺族の泣き声が聞こえる。
無力であることがアイダを苦しめた。アイダは悪夢を見ているようだった。しかしそれは夢ではなく現実だった。
3年半以上にわたって戦闘が繰り広げられたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。略奪、拷問があり、死者20万人、難民、避難民200万人、ボシュニャク人女性に対するレイプ、強制出産が行われた。