ある夏の日の出来事
夏の日、森の中の道、落ち葉を踏みしめて中年男ネッド・メリルが歩いてくる。彼は水着一枚だけの姿だった。
裕福な友人たちが歓迎してくれる、友人宅のプールで泳ぎ終わり、ネッドはある計画を立てる。森の中にある友人たちのプール伝いに泳ぎながら郡境をこえて自分の家に帰ろうとする。
久しぶりに会う友人たちと談笑しながらプールで泳ぐ。水のないプール、パーティ客で混雑しているプール。かつての恋人との険悪な会話。
誰もが「資産家の奥さんと娘さんたちはどうしているの」と訊く、彼はこう答える「妻は元気だよ、娘たちはテニスをしている」
やがてネッドの今の境遇が明らかになってくる。彼が破産し、妻と離婚し娘たちは警察沙汰に近いことを起こしていた。仕事がなく、借金があることも分かってくる。ある男からは偽善者と罵られる。
強い雨の中、ネッドは丘の上の自宅にたどり着くが、そこは廃墟だった。テニスコートは無人だった。ドアを叩くが誰も出てこない。雨は降り続いている。
徐々に真実が明らかになるというサスペンスタッチのいい映画だった。破滅と幻影を描き、ストーリーはシンプルだが、指に小さなトゲが刺さったような痛みを感じた。