自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

長生きという「病」

有名人の訃報を聞くたびにドアが閉まるように、一つの時代が閉じられていく。

 

2022年9月13日、映画監督ジャン=リュック・ゴダールがスイスの自宅で自死した。91歳だった。複数の疾患で日常生活に支障をきたしていたという。おそらく生きることに相当、苦しんだのではないだろうか。

ゴダール作品は3~4本観ただけで、それほど好きな監督と言うわけではなかった。でも若い頃に読んだ彼の映画評は優れたものだった。

 

日本映画「PLAN75」は75歳以上の人が自分の生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台にした物語だという。

 

先日、病院に行くとほとんどが高齢者だった。70歳ぐらいの男の人は椅子に座るのも、椅子から立つのも看護師に助けてもらっていた。認知症の女性には足の悪い夫が付き添っていた。

 

長生きが「病」と呼ばれるような時代がくるのかもしれない。もっともその頃には私は死んでいるからいいけど。