自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

藤田久美子インタビュー編「松本隆のことばの力」

松本隆・・・60年代後半、ドラマーとして細野晴臣らとバンド活動を始め(後のはっぴいえんど)、作詞も担当、解散後、職業作詞家の道に。

歌を受け取り、それを歌にして返す歌のコミュニケーション・・万葉集からインスパイアされた現代の相聞歌「木綿のハンカチーフ」。「♪恋人よ ぼくは旅立つ 東へと向かう列車で・・・あなた 最後のわがまま 贈りものをねだるわ・・♪」

 

「風をあつめて」は、日本語のまま海外で受け入れられる歌の先駆けになった。「・・♪風をあつめて 風をあつめて 蒼空を翔けたいんです 蒼空を・・♪」

 

冬のリヴィエラ」は西ドイツ映画「死の船」から発想した。リヴィエラという地名は小川国夫の小説から借りた。

 

ルビーの指輪「♪くもり硝子の向こうは風の街 問わず語りの心が切ないね 枯葉ひとつの重さもない命 貴方を失ってから・・♪」

「この歌の主人公は・・ハードボイルドなのに、妙に一途なのだ。男らしさを描こうとする時、ぼくは弱さを書きたくなる。弱さを書いていると、書かれていない男らしさが浮かび上がってくる」

『ぼくの考え方の根っこには、死んだ妹が関係している。妹は生まれた時から体が弱く、何カ月も生きられないと言われた・・なのに本人はいつも「大丈夫」と言う。顔色が悪くても「平気」と言う。つらくても弱音を吐くことがなかった』

『女だから弱いとか、男だから我慢するとか、そういうことではない・・彼女は生きようとしていた。・・ダンディズムとは「男」か「女」かではない。「生きる」か「死ぬ」かである』

 

梁塵秘抄「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん・・」

古くから私たちは「歌詞」に癒されてきた。