自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

マイキー&ニッキ― 1976年

男の友情と裏切り

アメリカ、エレイン・メイ監督

夜、組織から命を狙われるニッキ―は場末のホテルから電話をして、親友のマイキーに助けを求める。マイキーはすぐに飛んできてニッキ―を街から逃がそうとするが、ニッキ―は殺されるという恐怖で支離滅裂な行動をとる。

 

怯えているニッキ―は疑心暗鬼におちいり、マイキーをどこか信用できなかった。男の友情はあるのか、それともそんなものはないのか。

二人はガキの頃からの友達だったが最近は疎遠になっていた。原因はどちらにもあり、二人にはそれぞれの言い分があった。深夜のバー、映画館、墓地、黒人たちの溜まり場、バス、女の家・・街の中を歩き回る二人。夜の街のざわめきが聴こえてくる。

 

やがてマイキーが殺し屋にニッキ―の居所を教えていたことが分かる。疑いながらもニッキ―はマイキーを信じて助けを求めるしかなかった。

たった一晩の出来事だった。そして夜が明ける。二人の男の心の痛みと揺れが繊細に語られる。

これこそがハードボイルドだと思わせるラストシーンだった。そのラストシーンでこの映画は忘れられない作品になった。