昭和16年12月の真珠湾攻撃のラジオ放送を聞いて・・・
作家の長与善郎「生きているうちにまだこんな嬉しい、こんな痛快な、こんなめでたい日に遭えるとは思わなかった」
徳川夢声「いくら万歳を叫んでも追っつかない。万歳なんて言葉では物足りない」
詩人の高村光太郎「私は不覚にも落涙した」
社会学者の清水幾太郎「日本は是が非でも英米に勝たねばならぬ」
武者小路実篤「愚かなのはルーズベルト、チャーチル、ハル長官たちである。日本を敵に廻す恐ろしさを英米の国民が知らないのは当然だが、彼ら責任者がそれを知らなかったのは馬鹿すぎる」
亀井勝一郎「勝利は、日本民族にとって実に長いあいだの夢であった。維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴らすべきときが来た」
横光利一「戦いはついに始まった。そして大勝した。先祖を神だと信じた民族が勝った」
ほとんどが真珠湾の戦勝に狂喜し、だれもがこの戦争を「聖戦」と信じた。
昭和18年には坂口安吾すら「文句はぬきだ。国亡びれば我ら又亡びる時、すべてを戦いにささげつくすがよい」
まわりは必勝、必勝と騒いでいるときに、半藤の父親は「この戦争は負けるぞ、お前の人生も短かったなあ」・・半藤は「何をいっているんだろう、このジジイ」と思った。