自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ギミー・シェルター 2013年

実話に基づいた物語

アメリカ、ロン・クラウス監督

16歳の不良少女アップルはドラッグ中毒の母親から逃れて、幼い頃、たった一度だけ手紙をもらった父親の元を訪ねる。父親と妻子は裕福な生活をしており、みすぼらしい服と下品な食べ方のアップルの居場所はなかった。

やがてアップルは自分が妊娠していることを知る。父親は中絶を勧めるがアップルは拒否して路上で暮らし始める。ゴミ箱を漁り、寒い夜は駐車している車の中で眠る。

「私は大丈夫、大丈夫・・」と自分に言い聞かす。

交通事故で病院に運び込まれたアップルは、そこで出会ったフランク神父から10代のシングルマザーが暮らすシェルターを紹介される。最初は断っていたアップルだが、神父に「新しいページをめくるべき時だ」と強く勧められる。

 

そのシェルターには親のいない少女や親から虐待や暴力を受け、精神異常や鬱になった少女たちが暮らしていた。アップルは自分よりもっと悲惨な傷をもった少女たちがいたことを知る。

アップルはいつしか唇や鼻のピアスを外し、表情や態度から刺々しさが消えてゆく。

そして赤ちゃんが産まれると、優しい母親の顔になった。

いわゆる「発掘良品」と呼ばれるタイプの作品だった。