人肉は禁断の味
フランス、ベルギー、ジュリア・デュクルノー監督
2015年、母親から厳しくベジタリアンとして育てられてきた16歳のジュスティーヌは姉も通っている獣医学部に進学し、慣れない寮生活にはいる。
上級生から新入生の通過儀礼として無理やりにウサギの腎臓を食べさせられる。
初めて生肉を食べたジャスティーヌは本性があらわになり、性に目覚めるようにカニバリズム(人肉食い)に目覚めてゆく。深夜、ジャスティーヌは冷蔵庫を開けて生肉を食べる。一度、禁断の味を覚えてしまうと、麻薬のようにもうやめることができない。
彼女は不安と怖れの日々を迎える。
ハサミの事故で姉アレックスの中指が切断される。ジャスティーヌーヌは救急車を待っている間に、その指の血を舐め、食べ始める。カレー味がしたという。
姉はそれをじっと見つめていた。じつは姉アレックスも禁断の味を知って、わざと自動車事故を起こし、運転手の肉体を食べていたのだ。
カニバリズムに目覚めていくうちにジャスティーヌの目つきが徐々に厳しくなってゆく。ある朝、ジャスティーヌが目を覚ますと、ルームメイトでゲイのアドリアンが死んでいた。彼の脚が食いちぎられていた。
ラストシーンで残酷な宿命が明らかになり、ただ呆然とするだけだった。これはいろいろな意味で女性監督にしか撮れない衝撃作だ。