自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

警察日記 1955年

様々なエピソードをスケッチ風に描いた

日本、久松静児監督

戦後間もない昭和20年代、会津磐梯山の麓の田舎町。

花嫁姿でバスに乗り、披露宴に向かう新婦、戦争で5人の息子を亡くし、精神を病んだ元校長、地元出身の通産大臣の歓迎会、貧しくて身売りする娘、その周旋をする女、無銭飲食や万引き、神社荒らしと間違われた馬車屋の男、捨て子の幼い姉弟

吉井巡査はその姉弟を警察署に連れてくる。

吉井巡査は赤ん坊の弟を料亭の女将に預け、6歳の少女ユキコは自分の家で引き取った。しかし弟想いのユキコは弟のことが心配になり、フラフラと一人で会いに行く。

しかたなく姉弟二人を料亭の女将が預かることになった。やがて捨て子の母親が現れる。

 

まだまだ貧しい時代だったが、田舎警察の警察官たちは誰もが人情家だった。

新人の宍戸錠三國連太郎、森繫久彌、杉村春子沢村貞子伊藤雄之助・・これら名優たちのなかにあってユキコ役の二木てるみの存在感が際立っていた。

 

当時の風俗や田舎町の佇まいや貧しいながらも逞しく生き抜こうとする人たちが描かれた人情喜劇。

かつてこんな日本があったのかと思わせるようなほのぼのとした作品だった。