自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ミルドレッド 1996年

あなたに輝く星はひとつじゃない

アメリカ、フランス、ニック・カサヴェテス監督

未亡人のミルドレッドは23歳の娘アンを子ども扱いにし、干渉しすぎていた。アンはそれが嫌で家を出てしまい、ミルドレッドは一人になる。

夫が家を出てしまった近所の主婦モニカの頼みでミルドレッドは6歳の息子jjを預かることになる。

ミルドレッドとjjは早朝から新聞を配達し、百科事典を読み、キャッチボールをする。二人は母子のように心が通じ合う。しかしモニカの夫が戻ってくると、jjはミルドレッドの元を去ってゆく。

ミルドレッドはトラック運転手のビッグ・トミーとバーで知り合い、マイアミでの生活を誘われるが、返事はできなかった。

 

感謝祭の日に、ミルドレッドは息子イーサン夫妻にサンフランシスコで一緒に暮らそうといわれる。しかしそれを断って、孫の世話をするより自分の人生を歩もうとする。

 

もう若くはないミルドレッドだったが思い切って家を売り、未来の生活に向かって旅立つ。彼女は行先を誰にも告げず、モニカやjjとも別れた。そして空港に見送りにきた娘アンに一人で生きてゆくようにと大金を渡す。

 

素直なストーリー展開だったが安直なハッピーエンドには終わらなかった。そこには中年女性の「青春の旅立ち」のような高揚感があった。