平凡な主婦の大発見
イギリス、スティーブン・フリアーズ監督、108分
イギリス、仕事では理不尽な評価を受け、家庭もうまくいかない主婦フィリッパ・ラングレー。彼女は息子の付き添いでシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞する。
そして悪名高いリチャード3世も自分と同じように不当な評価をされてきたのではないかと、疑問を持つ。
リチャード3世は身体障害者で背骨が湾曲していた。そのために性格も歪んでおり、冷酷非情な王と思われていたのではないだろうか。実はフィリップにも背骨に持病があったのだ。
やがて500年前の1485年に死んだリチャード3世の墓を探し始める。フィリッパはリチャード3世の幻影に導かれながら調査に夢中になってゆく。まったくの素人のフィリッパは多くの本を読み、専門家に会い、資金もクラウドファンディングで調達する。何とその遺骨は駐車場の下に埋もれていた。
2012年、遺骨発見の栄誉をレスター大学側は独り占めしようとする。
英国王室の重厚な歴史を感じさせる作品であり、人生で正当な評価を得られず、真価を発揮できなかった人の物語だった。普通の主婦が大発見をしたというストーリーの面白さも充分にあった。
後に英国王室はフィリッパに勲章を授与し、リチャード3世が正当な王であることを認めて、その墓に王家の紋章を刻むことを許した。