ほとんどが調理のシーン
フランス、トラン・アン・ユン監督 136分
19世紀末のフランス、料理を芸術まで高めた美食家ドダンと、彼の望むような料理を作る天才的な女性料理人ウージェニー。二人は20年以上も一緒に最高の料理を追求してきた。
そこに絶対味覚をもつ少女ポーリーヌが厨房に現れ、ウージェニーの後を継ぐような料理人となってゆく。
ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンはただ豪華なだけの料理に失望する。そして皇太子を最もフランス的な家庭料理ポトフでもてなすことを決める。
そんな中、ドダンとウージェニーは婚約を発表する。「結婚とはデザートから始まるディナー」「すでに持っているものを求めるのが幸福だ」とドダンは言う。しかしウージェニーは突然、倒れて、亡くなってしまう。
悲しみに暮れるドダンは少女ポーリーヌと共にウージェニーがつくるような完璧なポトフ料理を目指す。
ただただ調理するシーンの多い作品だった。知らない食材や手の込んだ料理に目を奪われてしまう。どれもソースが決め手だった。火を入れるたびに完璧に出来上がってゆく料理の見事さに驚いてしまう。
フランス料理の奥深さを知ることができる映画であり、当時の服装や風俗にも目を奪われる作品だった。