実話をもとにした爽快な映画
1971年4月、公民権運動が盛んな頃、人種差別の色濃いヴァージニア州の田舎町アレキサンドリア。黒人の高校と白人の高校が猛反対を押し切って統合される。
白人と黒人が入り混じったフットボールチーム、タイタンズが結成される。ヘッドコーチには黒人のブーンが赴任してくる。そして今までのヘッドコーチだったヨーストはディフェンス・コーチを引き受ける。
しかしチーム内は合宿でも黒人と白人の衝突が絶えなかった。「お互いに分かり合えなければ、私たちもここで終わりだ」
やがて都会からロニーという転校生がやってくる。進歩的な彼はチームに融和と活気を与えてゆく。そして黒人と白人の混成チームは試合で快進撃を続け、州大会の決勝に進む。
試合前の士気を高めるための奇妙なウォーム・アップが力強く勇壮で見ごたえがあった。フットボールのスパルタ式の練習シーンと町の人々の人種差別が絡み合った作品だった。チームメイトたちは肌の色を越えてゆき、白人と黒人が一つになったチームが誕生する。
いかにも優等生的な物語だったが、アメフトというスポーツの激しさと偏見や差別を越えてゆく爽快さに魅せられる映画。
ちなみに作品途中に出てくるポスターは1968年のメキシコオリンピックのものであり、表彰台に上る選手が人種差別に抗議している様子を描いたもの。