盲人が見たものを誰が信じるのか
韓国、アン・テジン監督 118分
17世紀、朝鮮王朝時代の史実の記録「仁祖実録」に記された「怪奇の死」にまつわる謎を題材にした。いわゆる韓国の時代劇だった。
1645年、朝鮮、盲目の天才的鍼術師ギョンスは病の弟のために宮廷で働いていた。ある夜、ギョンスは王様の息子(世子)が宮廷の御医イ・ヒョンイクに毒鍼で殺される現場を目撃する。
盲目のギョンスはフクロウのように暗闇の中では少し目が見えるのだった。誰もそれに気づいていなかった。
驚いたことにヒョンイクに毒殺するように命じたのは息子の父親である王様だった。謎めいた毒殺の真相を暴くためギョンスは夜の宮廷を奔走する。タイムリミットは夜明けまでだった。
なぜ王は息子を殺したのか、実は中国では明から清へと時代は移り、朝鮮の宮廷内では明を慕うものと清に忠誠を誓うものがいた。
4年後、奇跡的に生き残ったギョンスは極悪な王への復讐を果たそうとする。
この時代、病気の治療というと「鍼治療」だったのには少し驚いた。この映画は今の時代ならさしずめ医療サスペンスというところだろう。結末をみると、一体どこまで史実に忠実なのだろうかと、そんなことを思わせた。
夜のシーンが多く、見づらいところもあったが、特に後半はテンポがよくてストーリーに引き込まれてゆく。