自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

奇跡の人 1962年

言葉とは何か

アメリカ、アーサー・ペン監督、106分

三重苦のヘレン・ケラー女史がアン・サリバン教師の厳しい教えによって人生の光を見い出すまでの苦闘を描いた作品。

19世紀末、南部の町、ケラー家では7歳のヘレンの色も音もない、感触だけを頼りに生きている姿に、大きな悩みを持っていた。

 

生後19ケ月で、熱病により目が見えず、耳も聞こえず、言葉も喋れなくなってしまったヘレン。両親の献身的な行動にも関わらず、ヘレンを受け容れてくれる学校はなかった。愛情だけではヘレンの三重苦を解決することはできなかった。

盲学校に依頼してその卒業生で目の悪いアニー・サリバンが少女の教育に来てくれた。

部屋に入りヘレンに対面したサリバンは持ってきた人形を渡すと彼女の手を自身の指に触れさせて、指文字によるアルファベットで“D・O・L・L”と一文字ずつ表す。同じようにして“CAKE”(ケーキ)などの単語を教える。

 

野生児のようなヘレンの振る舞いをみて、最低限の食事のマナーとしつけを教える。

「全ての物には名前があり、ヘレンがそれを気づけば世界が広がるのに」とサリバンは悩んでいた。

指文字も物真似に過ぎなかったが、ある日、井戸水をポンプでくみ上げているとき、その水に触れたヘレンは「ウォーター」という言葉の意味を知ることになる。彼女の世界が広がったのだ。

観るほうに相当の体力が必要となるぶつかり合いだった。凄まじい戦いの教育だった。

 

ヘレン・ケラーは その後ハーバード大学を卒業、法学博士など学位を得て 平和活動、福祉活動に尽力し、1968年に 87歳で亡くなりました。