ノーマ役のグロリア・スワンソンの緊迫感あふれる演技は秀逸
ハリウッドの狭いアパートに住む売れない脚本家ジョー・ギリスはある日、荒れ果てた屋敷に迷い込んでしまう。そこには無声時代の大女優ノーマ・デスモンドと執事のマックスがひっそりと暮らしていた。ノーマは書き上げた「サロメ」の脚本の手直しをギリスに頼む。
うだつの上がらない生活に嫌気がさしていたジョーはノーマの要求を受け入れて住み込みで奇妙な共同生活を始める。

しかし、ノーマがジョーへの愛情を露骨に示すようになったことから、ジョーは彼女から離れようとする。ノーマが自殺未遂を起こした為にジョーは屋敷へ戻って、ジゴロ同然の生活を送るようになる。
マックスはノーマをスターに育て上げた映画監督で最初の夫で自分から頼んで召使いになった事をジョーに話す。今でもやってくるファンレターはすべて執事のマックスが書いたものだった。ノーマに夢を見続けさせている。

一方、ジョーは親友アーティの婚約者で脚本部員であるベティと密かに脚本を共作する事になる。
共作している事はノーマの知るところとなり、嫉妬にかられる。ジョーはノーマに全てを明かして別れを告げる。ノーマは、荷物をまとめて屋敷を出ようとしたジョーを撃ち殺す。
長い階段を下りてくるノーマは大女優時代の栄光を忘れられず、得意満面でカメラの前にたつ。凄まじいシーンだった。狂気をはらんだノーマの演技はいつまでも記憶に残る。過去の栄光の幻に取り憑かれた女の物語だった。