自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

SISUシス 不死身の男 2023年

「シス」とは不屈の精神の意味

フィンランド、ヤルマリ・ヘランダー監督 91分

1944年、フィンランド、不屈の精神を持った老兵アアタミは金塊を掘り当てる。愛犬と共に戦争で焦土と化した荒野を馬に乗り、町に向かっていた。

その途中、ブルーノ中尉率いるナチスの戦車隊と出くわす。アアタミの金塊と命を狙う戦車隊に立ち向かう。何とツルハシ一本を背にしたアアタミは地雷原の中に入っても、機関銃で撃たれても、首を吊られても死なないのだ。

 

精神が肉体を上回っており、アアタミは死ぬのを拒む男だった。彼はロシア兵を300人以上も殺したという伝説の男だった。そして囚われていた女たちに機関銃を与え、最後にはナチスを皆殺しにする。

そして飛行機で逃げようとするブルーノ中尉を追ってゆく。

ジジイと言われるような老兵が思わぬ力を発揮する物語で、荒唐無稽と言えばそうだが、アクション映画のセオリー通りのストーリー展開だった。

町の銀行で金塊を換金するというラストシーンのユーモアには思わず苦笑いしてしまう。

 

残虐なシーンも結構あるが、エンターテイメントいっぱいの作品だった。すべての希望が失われた時、現れる不屈の精神を「シス」という。これをモチーフにした遠いフィンランドから届いた奇妙な映画だった。