自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

サマーゴースト 2021年

花火と死体

日本、loundraw監督、40分

自殺した若い女性の幽霊「サマーゴースト」が、夏の間、花火をするとその姿を現す、という都市伝説があった。花火には魂を鎮めるという意味があった。

しかしゴーストが見えるのは死に触れようとしている人だけだった。

教育ママに監視されている高校3年生の杉崎友也と、学校でイジメにあっている春川あおいと余命9カ月の小林涼はネットを通じて知り合う。

 

3人は辛いだけの世界で、死ぬ理由を探していた。3人は「サマーゴースト」に生きる意味を尋ねたかった。

その願いが叶い、若い女性、佐藤絢音の「サマーゴースト」は現れるが、彼女もまた自分の死体を探していた。3人は彼女に協力して死体を探し始める。

 

何度もでてくる線香花火の火花が生命の輝きのように美しかった。

 

すべてがハッピーエンドではなかったが、それぞれの形で自分の道を切り開いてゆく。

ダイジェスト版のようで物足りなさの残る作品だったが、ストーリーはとてもよかった。

高橋真梨子「ランナー」

1994年のロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでの高橋真梨子コンサート。

初の日本人公演だった。ずいぶん前にビデオテープに録画していたのだが、いつの間にか失くしてしまった。

今でも覚えているが、フィナーレに彼女は観客に語りかけるように「ランナー」を熱唱した。

♪・・夜明けの街を一人走る
あなたの夢は破れ
汚れたシューズ
投げ捨てて
部屋をとびだした

生きる事さえ恨んでると
あなたは酒に溺れ
別れの言葉くりかえし
夜毎やせていった・・・♪

 

♪・・愛を抱いて走って
大丈夫私はここに居るわ
今ふたりの地平線を
力強くゆっくり走り続けて・・♪

 

高橋真梨子の歌は物語性があっていつも情景が浮かんでくる。早朝、朝もやの中、若いランナーが白い息をはきながら走っている。彼のそばで生きてゆきたいと願う一人の女性がいた。

とても感動的なフィナーレのコンサートだった。

トゥルー・ロマンス 1993年

 

俺たちに明日はある

アメリカ、トニー・スコット監督

デトロイトコミック雑誌店に勤めるクレランスは、カンフー映画プレスリーを愛するオタク青年だった。コールガールのアラバマと恋に落ち、すぐさま結婚する。

アラバマの元ヒモのドレクセイの店に荷物を取りに行くが、諍いになり彼を殺してしまう。部屋に戻ってきたクレランスが「奴を殺してきた」と呟く。するとアラバマは「ロマンチック」と抱きつく。

 

間違って持ち帰ったスーツケースの中には大量の麻薬が詰まっていた。二人はそれを売って新しい生活を始めようとする。しかしマフィアが二人を追ってくる。クレランスは元警察官の父親のもとを3年ぶりに訪ねる。それを知ったマフィアは父親のトレイラーハウスに現れる。

ロックンロールや懐かしい映画にウキウキするような作品だった。何度観ても面白いという映画がある。その中の一本が「トゥルー・ロマンス」だった。

アメリカンコミックのように分かりやすく、飽きさせない、そしてストーリーが躍動している。

 

この映画には男女の逃避行を描いた「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のような狂気はない。イカれてはいるが真っ当な男と女の愛があるだけだ。