自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

美しい人 2005年

原題は「nine lives」 アメリカ、ロドリコ・ガルシア監督 「A cat have nine lives」という諺がある。 女性9人の人生の一瞬を切り取った九つの物語のオムニバス。一話が12~13分程度の作品。同じガルシア監督のオムニバス「彼女を見ればわかること」に…

わたしの叔父さん 2019年

いつも曇った空の下で デンマーク、フラレ・ピーダセン監督 デンマークの農村、27歳の女性クリスは身体の不自由な叔父の介護と酪農の仕事をしていた。クリスは幼いころに両親を亡くし、14歳のとき叔父に引き取られた。 その後、叔父は倒れ、不自由な身体…

村上春樹「ドライブ・マイ・カー」

映画「ドライブ・マイ・カー」は高評価だが、とりあえず原作を読んでみた。 性格俳優の家福は「接触事故を起こし、免許証も停止になった・・それから視力にも問題があった」 仕方なく専属の運転手が必要になり、北海道からやってきた「渡利みさき」を雇った…

言の葉の庭 2013年

二つの人生が交差する庭園 日本、新海誠監督 15歳の高校生タカオは靴職人を目指していた。雨の日は午前中の授業をさぼり、新宿の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。靴をつくることだけが自分を別の場所に連れて行ってくれた。 6月、梅雨入り、いつもの…

3時10分、決断のとき 2007年

男たちの生きざま アメリカ、ジェームズ・マンゴールド監督 原作はエルモア・レナードの短篇「三時十分発ユマ行き」 南北戦争後のアリゾナ、牧場主のダンは妻と二人の息子との4人暮らしだったが、生活は困窮し土地から追い出されようとしていた。ダンは北軍…

野菊の如き君なりき 1955年

野菊とりんどうの花 日本、木下恵介監督 渡し舟に一人の老人が乗っている。老人はこの地で育った斎藤政夫で船頭に思い出を語っていた。60年前の回想から物語は始まる。 政夫は大きな屋敷の旧家の次男坊だった。母が病弱なため従妹の民子が手伝いに来ていた…

ファーザー 2020年

出口のない迷宮 イギリス、フランス、フロリアン・ゼレール監督 ロンドン、一人暮らしの81歳のアンソニーは認知症で記憶があやふやになっていた。娘のアンが心配して自分の家に引き取る。 ところがアンソニーはそれすらもわからなかった。認知症のアンソニ…

聖なる犯罪者 2019年

告解、ミサ、聖体 ポーランド、フランス、ヤン・コマサ監督 ワルシャワ、少年院に服役中の20歳のダニエルは仮釈放される。彼は神の元で働きたいと願っていたが、トマシュ神父に前科者は聖職につけないと言われ、仕事先の製材所に向かう。 田舎町の教会で、…

10年日記

10年先のことなど分からないが・・ 友人に勧められて2012年から10年日記をつけている。今年で終わるので、先日、来年からの10年日記を買った。ちなみに税込み3300円だった。友人はもう4冊目で39年間、日記をつけている。 実に使いやすい日…

リリーのすべて 2015年

ありのままのあなたを受け入れる イギリス、トム・フーバー監督 1926年、デンマークのコペンハーゲン、才能ある風景画家のアイナー・ベルナーは同じ画家の妻ゲルダに女性モデルの代役を頼まれる。 女性のストッキングをはき、衣装を着たアイナーは微妙で…