自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フェイブルマンズ 2022年

「出来事には意味がある」と母が言った アメリカ、スティーブン・スピルバーグ監督、151分 1952年、ニュージャージー州、幼い少年サミー・フェイブルマンは両親に連れられて初めて映画を観た。 列車が車と衝突して脱線するシーンに彼は大きな衝撃を受…

セラフィーヌの庭 2006年

逞しくそして脆い一人の女 フランス、ベルギー、ドイツ、マルタン・プロポスト監督、126分 1912年、フランスのサンリス、家賃も払えない家政婦のセラフィーヌは「守護天使のお告げ」で絵を描き始め、讃美歌を歌いながら、一人でひっそりと暮らしてい…

カルト映画5本

ジョン・ウォーターズ監督「ピンクフラミンゴ」 ポルノフィルムも顔負けの猥褻さ。映画史上、これ以上、下品な映画はまずないと思う。 フランク・ヘネンロッター監督「バスケット・ケース」 シャム双生児として生まれた兄弟は3人の医師によって切り離されて…

オフィサー・アンド・スパイ 2019年

私は告発する フランス、イタリア、ロマン・ポランスキー監督 1894年、フランス陸軍のユダヤ人ドレフュス大尉がドイツ軍へのスパイ容疑で終身刑を言い渡され悪魔島へ送られる。 新任の諜報部長のピエール中佐は事件を探るうちに、ドレフュスは無罪である…

パピヨンの贈りもの 2002年

ハートウォーミングな贈りもの フランス、フィリップ・ミュイル監督 85分 パリ、8歳の少女エルザは看護助手の母親との二人暮らしてだった。25歳の母親は仕事や友達との付き合いで忙しくて、エルザと過ごす時間が少なかった。 「ママは私のことが好きな…

ゾディアック 2007年

未解決の実話「ゾディアック事件」 アメリカ、デビッド・フィンチャー監督、157分 1969年、ドライブにきたカップルが銃で撃たれた。女は死に、男は辛くも命が助かった。しかし男は行方不明になった。 4週間後、サンフランシスコ・クロニクル新聞社に…

福岡伸一「迷走生活の方法」

「生命の緊急時、ストレスホルモンは免疫システムが使っていたエネルギーや栄養をストレスと戦うための他の緊急システム(心臓、筋肉、呼吸、知覚など)に振り向けるようなスイッチとなる。 つまりストレスホルモンは免疫抑制剤なのである」 「長い歴史でス…

ゴールデンボーイ 1998年

悪の遺伝子 アメリカ、ブライアン・シンガー監督 原作はスティーブン・キング 1984年、ロサンゼルス、16歳の高校生トッドは成績もスポーツも優秀な生徒だった。彼はナチスの強制収容所やホロコーストに興味を持ち、いろいろな資料や写真を集める。 あ…

ドリームズ・カム・トゥルー 2006年

原題は「アキーラとスペリング大会」 アメリカ、ダグ・アッチソン監督、日本未公開 ロサンゼルスのダウンタウン、幼い頃に父を銃で殺された11歳の黒人女子中学生アキーラは校内のスペリング大会(英単語の暗唱大会、日本でいえば漢字検定)で優勝した。 そ…

ミルドレッド 1996年

あなたに輝く星はひとつじゃない アメリカ、フランス、ニック・カサヴェテス監督 未亡人のミルドレッドは23歳の娘アンを子ども扱いにし、干渉しすぎていた。アンはそれが嫌で家を出てしまい、ミルドレッドは一人になる。 夫が家を出てしまった近所の主婦モ…