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映画に関する短いエッセイとその他

妖婆の家

妖婆の家

1965年、アメリカ、モノクロ、セス・ホルト監督、原題は「The Nanny」

イギリスの上流家庭、外交官ビルの妻バージーは病身で情緒不安定だった。そのために家には「ばあや」と呼ばれる乳母がいた。精神治療施設に預けられていた10歳の息子ジョーイが2年ぶりに帰ってくる。2年前、ジョーイの幼い妹スージーが浴槽でおぼれ死んだのはベンのせいだと思われていた。なぜかジョーイは「ばあや」を異常に嫌っていた。

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「ばあや」もジョーイも私たちはどこか信じることが出来ない。誰がスージーを溺死させたのか。

14歳の少女役でパメラ・フランクリンが出演している。

1962年の映画「何がジェーンに起こったか?」のベティ・ディヴィスを覚えているだろうか。あれほどの異様さと怖さはないが、でもやはり怖いベティ・ディヴィスが再来した。これは悲劇的恐怖映画といえるのではないか。「ばあや」が狂気におちいった理由がわかったとき、悲しみが押し寄せてくる。震えるような恐怖だけの映画もいいが「妖婆の家」のような悲劇性を帯びた恐怖映画も魅力的だ。

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今ではホラーと呼ばれるかもしれないが、40~60年代の怪奇映画、恐怖映画にはパルプマガジンのようなちょっといかがわしい面白さもある。

そして妖しいベティ・ディヴィスに出会える。